ご相談のきっかけ
G社様は、事業展開の一環として、新たにグループ会社を設立することを予定されていました。
設立に向けて会社名や事業内容などをご検討される中で、
「せっかく新しい会社を設立するので、縁起の良い日を設立日にしたい」
「『8』が並ぶ末広がりの令和8年8月8日を設立日にできないか」
とのご相談をいただきました。
令和8年8月8日は土曜日であり、従来の制度では、法務局が閉庁している土曜日を株式会社の設立日とすることはできませんでした。
しかし、令和8年2月2日に施行された改正商業登記規則により、一定の要件を満たすことで、土日祝日等の行政機関の休日についても、会社・法人の設立日として指定することが可能となっています。
そこで、今回はこちらの新制度を利用し、令和8年8月8日を設立日とする方向で手続きを進めることとなりました。
状況の整理
株式会社は、本店所在地において設立登記をすることによって成立します(会社法第49条)。
従来は、原則として法務局が設立登記の申請を受け付けた日が会社の成立日となるため、土曜日・日曜日・祝日などの法務局の閉庁日を設立日とすることはできませんでした。
もっとも、令和8年2月2日に施行された改正商業登記規則第35条の4により、一定の要件のもと、行政機関の休日を設立登記の日として指定することが可能となりました。
この制度を利用する場合には、単に登記申請書へ希望日を記載すればよいわけではありません。
指定する設立日の直前の法務局開庁日に登記申請を行い、その日の開庁時間内に申請が受け付けられることが必要となります。
今回、指定する令和8年8月8日は土曜日でした。
そのため、その直前の開庁日である令和8年8月7日(金)に設立登記を申請し、同日付で受付を受けたうえで、8月8日を会社成立の年月日として指定する必要がありました。
また、今回の設立会社の本店所在地は当事務所から遠方であり、定款認証を担当する公証役場への訪問や、設立関係者との対面での書類授受を前提とすると、日程調整の負担も大きくなります。
そこで、
- 公証人との定款認証はオンラインで実施する
- 捺印が必要となる書類は郵送でやり取りする
- 設立登記については、8月8日を設立日として指定するためのスケジュールを逆算して準備する
という方針で手続きを進めることとしました。
対応方法
当事務所では、まず、令和8年8月8日を設立日とすることを前提として、定款作成・定款認証・資本金の払込み・捺印書類の回収・設立登記申請までのスケジュールを整理しました。
休日を設立日として指定する場合には、指定日の直前の開庁日に登記申請が受け付けられる必要があります。
そのため、今回については8月7日(金)の登記申請を動かすことのできない基準日として設定し、それまでにすべての設立準備が完了するよう手続きを進めました。
また、設立会社の本店所在地が遠方であったため、公証役場へ直接出向いて定款認証を受けるのではなく、オンラインによる定款認証を利用しました。
公証役場との事前調整を行い、必要な手続きをオンラインで進めることで、遠方の公証役場まで移動する負担をなくしました。
その他の設立関係書類についても、メール等で内容をご確認いただきながら準備を進め、原本への捺印が必要となる書類については郵送で授受しました。
これにより、
事前の打合せから定款認証、設立書類の準備、登記申請まで、一度も対面することなく設立手続きを進めることができました。
最後に、8月7日(金)に休日を設立日として指定するための所定の記載をした設立登記を申請し、令和8年8月8日を会社成立の日として指定しました。
結果
予定していたスケジュールどおり設立手続きを進め、令和8年8月8日(土)を会社成立の年月日とするグループ会社を設立することができました。
「8」が並ぶ末広がりの日を新会社のスタートの日にしたいというご希望を実現するとともに、遠方の公証役場への訪問や当事務所への来所をいただくことなく、設立手続きを完了することができました。
今回のように、
「会社の記念となる日を設立日にしたい」
「土日祝日を設立日にしたい」
「遠方なので、できる限りオンラインや郵送で会社を設立したい」
という場合でも、制度やオンライン手続きを適切に活用することで対応できるケースがあります。
代表司法書士からのひとこと
会社の「設立日」は、登記簿にも記録され、その会社にとって長く残り続ける大切な日付です。
これまでは法務局の開庁日の中から設立日を選ぶ必要がありましたが、令和8年2月2日の制度改正により、一定の要件を満たせば、土曜日・日曜日・祝日などについても設立日として選択できるようになりました。
そのため、
「1月1日を会社の設立日にしたい」
「創業者の誕生日を設立日にしたい」
「一粒万倍日や天赦日など、縁起の良い日を設立日にしたい」
「会社にとって意味のある記念日を設立日にしたい」
といったご希望にも、以前より柔軟に対応することが可能となっています。
もっとも、休日を設立日にする場合には、指定する休日の直前の開庁日に、法務局の開庁時間内で設立登記の申請が受け付けられる必要があるなど、通常の設立登記とは異なる注意点があります。
特に、定款認証や出資、捺印書類の準備に時間がかかると希望日に間に合わない可能性があるため、設立希望日から逆算して手続スケジュールを組むことが重要です。
また、株式会社の設立については、電子定款やオンラインでの定款認証、郵送による書類の授受などを組み合わせることで、会社の所在地やご依頼者様の所在地によっては、今回のようにご相談から設立登記まで完全非対面で対応することも可能です。
福岡アルブル司法書士事務所では、株式会社・合同会社をはじめとする会社設立について、定款の設計・定款認証から設立登記まで一貫してサポートしています。
「土日祝日を会社の設立日にしたい」
「設立したい日が決まっているので、間に合うように手続きを進めたい」
「遠方なので、できるだけオンラインで会社を設立したい」
といった場合にも、お気軽にご相談ください。
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